「元素」と「単体」の違いをわかりやすく解説!【実践問題付】

「元素」と「単体」ってどう違うの?

「次の文中の下線部は、「元素」、「単体」のいずれかの意味で用いられるか。」

  • 人体の質量の約60%は酸素である。
  • 酸素は、水に溶けにくい。
悩む人

これは…元素?単体?

このような疑問で手が止まっていませんか?

「元素」と「単体」は同じ名称で表現されるため混同されがちです。

そこで、今回は

「元素」と「単体」の違いについて、実践問題を通してわかりやすく解説していきます!

本記事は以下のような人におすすめです!

・「元素」と「単体」の違いがわからない。

かんた

この記事を読んで、元素と単体の違いを理解しよう!

目次

問題

次の文中の下線部は、「元素」、「単体」のいずれの意味で用いられているか。

(1) 酸素は、水に溶けにくい。

(2) 食塩(塩化ナトリウム)には、ナトリウムと塩素が含まれる。

(3) 植物の生育には、窒素が欠かせない。

(4) 黄リンも赤リンも、リンの同素体である。

(5) 水を電気分解すると、水素と酸素を生じる。

2020セミナー化学基礎 | 第一学習社
略解

(1) 単体

(2) 元素

(3) 元素

(4) 元素

(5) 単体

テキスト

まず、元素と単体の定義について確認しましょう。

  • 元素:物質を構成する基本的成分。
  • 単体:1種類の元素からできている純物質。

定義だけ確認しても、どこがややこしいのかわかりにくいですよね。

どういうことか、具体例を踏まえて考えてみましょう。

例えば、酸素を考えると

  • 物質を構成する基本的成分\(\mathrm{O}\)
  • 1種類の元素からできている純物質\(\mathrm{O_2}\)

どちらも酸素という共通の名称で呼びますが、上は元素、下は単体、と区別されます。

対して、同じ純物質でも化合物となるとどうでしょう?

  • 2種類以上の元素からできている純物質\(\mathrm{H_2O}\)

化合物\(\mathrm{H_2O}\)はという名称で呼ばれるため、元素や単体と混同することはありません。

このように、元素と単体は名称が一致してしまうため非常に見分けるのが難しいということがわかります。

では、混同しやすい「元素」と「単体」はどのように区別すればいいのでしょう?

結論から言うと…

  • 元素:動作や変化がない
  • 単体:動作や変化がある

と考えることで簡単に区別をつけることができます。

一般的に、元素と単体は性質を示すか示さないかで区別されます。

元素は具体的な性質を示さないが、単体は具体的な性質を示します。

その「具体的な性質」をわかりやすく言うと、「動作や変化」になります。

よって、

元素=具体的な性質を示さない→動作や変化がない。
単体=具体的な性質を示す→動作や変化が
ある

となります。

では、実際にはじめに示した具体例を使って元素と単体を区別してみましょう。

  • 人体の質量の約60%は酸素である。
  • 酸素は、水に溶けにくい。

同じ酸素という言葉を区別するには、動作があるかないかで区別するのでした。

①の方は、人体の質量の約60%が酸素であるという事実を述べているため、動作や変化がありません。

一方②の方は、酸素は水に溶けにくいという、酸素を水に溶かすという動作を表しています。

よって、①は元素、②は単体であることがわかります。

かんた

元素と単体は、動作や変化の有無で考えると一瞬で区別することができるね!

これらを踏まえて、問題の解説を確認していきましょう。

解説

次の文中の下線部は、「元素」、「単体」のいずれの意味で用いられているか。

(1) 酸素は、水に溶けにくい。
(2) 食塩(塩化ナトリウム)には、ナトリウムと塩素が含まれる。
(3) 植物の生育には、窒素が欠かせない。
(4) 黄リンも赤リンも、リンの同素体である。
(5) 水を電気分解すると、水素と酸素を生じる。

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(1) 酸素は、水に溶けにくい。

「酸素は、水に溶けにくい。」とは、酸素を水に溶かそうとしたときに、水に溶けないという動作を表しています。

よって、(1)は動作を表すため単体です。

A. 単体

(2) 食塩(塩化ナトリウム)には、ナトリウムと塩素が含まれる。

これは、食塩の構成成分にナトリウムが含まれるということを表しています。

よって、動作や変化がないため(2)は元素です。

A. 元素

(3) 植物の生育には、窒素が欠かせない。

この場合の窒素は、植物の生育に必要な物質としての窒素を表しています。

よって、動作や変化がないため(3)は元素です。

A. 元素

(4) 黄リンも赤リンも、リンの同素体である。

この場合のリンは、黄リン、赤リンがリンの同素体であることを表す表現です。

よって、動作や変化がないため(4)は元素です。

A. 元素

(5) 水を電気分解すると、水素と酸素を生じる。

この場合の酸素は、水が電気分解によって変化して酸素になっていることを表しています。

よって、変化があるため(5)は単体です。

A. 単体

まとめ

今回は、「元素」と「単体」の違いについて解説してきました。

「元素」と「単体」の違いをなんとなくで考えていた人は、今日から自信を持って判断できるようになってください。

本記事の重要事項を下記にまとめました。復習に役立ててください!

  • 元素:動作や変化がない
  • 単体:動作や変化がある

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