熱運動は温度によって変化する?
粒子の熱運動って温度と関係あるの?
このような悩みで手が止まっていませんか?
粒子の熱運動は温度を基準にその様子が変化します。
しかし、粒子は目に見えないためその様子を正確に理解するのは少し難しいです。
そこで、今回は
熱運動と絶対温度の関係について、実践問題を通してわかりやすく解説していきます!
本記事は以下のような人におすすめです!
- 熱運動と絶対温度の関係がよくわからない。
この記事を読んで、絶対温度を基準に熱運動がどのように変化するか説明できるようになろう!
問題
次の文中の( )に適当な語句、記号を入れよ。
2020セミナー化学基礎 | 第一学習社粒子の振動や直進などの運動を(ア)という。固体、液体、気体のいずれかの状態でも構成粒子は(ア)をしており、(ア)の激しさは(イ)の状態が最も激しい。構成粒子が、(ア)によって空間に広がっていく現象を(ウ)という。(ア)の大きさを表す尺度を(エ)温度といい、(エ)温度が大きいほど、(ア)も激しくなる。
図は、温度(a)、(b)における気体分子の速さの分布を示したものである。(a)、(b)のうち、高温であるものは、(オ)である。
略解
(ア)熱運動、(イ)気体、(ウ)拡散、(エ)絶対、(オ) (b)
テキスト:粒子の熱運動
それでは、この問題に必要な知識・ポイントを確認していきましょう。
まず、粒子の熱運動とはなにかについて説明します。
粒子の熱運動とは
身の回りの物質は、原子や分子、イオンといった非常に小さな粒子から構成されています。
これらの粒子は、ある一定の温度以上では絶対に静止することはなく常に動き続けています。
このような粒子の運動のことを熱運動といいます。
イメージはこんな感じです。
粒子が観察できる超高性能虫眼鏡でりんごという物質を見たと仮定しましょう。
その時、ある温度以上では図のように少しでもそれぞれの粒子は動いているのが確認できます。
この動きが熱運動に相当するのです。
熱運動について理解できたところで、次に拡散という言葉について説明します。
拡散とは
熱運動によって、粒子は常に動き回っているということがわかりました。
では、その動き回っている粒子はどのような動きをするでしょうか?
瓶に気体(物質)を入れて、その上にもう1つの瓶をのせて蓋をしたとします。
すると、時間の経過とともに徐々に気体が瓶全体に広がっていくのが想像できると思います。
これはなぜか?
それは、気体を構成している粒子が熱運動をしているからです。
熱運動によって徐々に粒子が空間全体に広がっていくためこのようになります。
このように、粒子が熱運動によって自然に散らばって広がる現象を拡散といいます。
拡散は、気体同士、液体同士を混合する時のほか、固体や液体、気体を液体に溶かすときにも起こるよ !
では最後に、今回最も重要になってくる熱運動と温度の関係について理解しましょう。
絶対温度とは
まず、温度の定義を確認しておきましょう。
ここで、温度が高いほど熱運動は激しくなります。
その理由は下記記事で詳しく解説しているので、気になる人はチェックしてみてください。
実は先程から、熱運動の説明をする際に、「ある一定の温度以上では」という言葉を使っていました。
熱運動は、温度が高ければ高いほど激しくなりその上限はありません。
しかし、温度が低ければ低いほど弱くなりその下限が存在します。
下限とは、粒子の熱運動が停止してしまう温度です。
その温度のことを絶対零度といいます。
つまり、絶対零度を定義すると以下のようになります。
絶対零度:粒子の熱運動が停止する温度。
じゃあ絶対零度ってどのくらいの温度?
絶対零度は、\(\mathrm{-273 ℃}\)に相当します。
また、この\(\mathrm{-273 ℃}\)を基準とした温度を絶対温度と言い単位はK(ケルビン)を用います。
棒グラフで見ると、その関係がわかりやすいよ!
セルシウス温度と絶対温度の変換方法については下記記事で詳しく解説しています。
これらを踏まえて、問題の解説を確認していきましょう。
解説
次の文中の( )に適当な語句、記号を入れよ。
2020セミナー化学基礎 | 第一学習社粒子の振動や直進などの運動を(ア)という。固体、液体、気体のいずれかの状態でも構成粒子は(ア)をしており、(ア)の激しさは(イ)の状態が最も激しい。構成粒子が、(ア)によって空間に広がっていく現象を(ウ)という。(ア)の大きさを表す尺度を(エ)温度といい、(エ)温度が大きいほど、(ア)も激しくなる。
図は、温度(a)、(b)における気体分子の速さの分布を示したものである。(a)、(b)のうち、高温であるものは、(オ)である。
すべてテキストを参照すれば解ける問題です。
- (ア)
-
粒子の運動のことを(ア) 熱運動といいます。
A. (ア) 熱運動
- (イ)
-
温度が高くなれば高くなるほど熱運動は激しくなるので、熱運動が最も激しいのは(イ) 気体です。
A. (イ) 気体
- (ウ)
-
熱運動によって粒子が空間に広がっていく現象のことを(ウ) 拡散といいます。
A. (ウ) 拡散
- (エ)
-
熱運動の大きさは熱運動が停止する絶対零度を基準とした(エ) 絶対温度で表されます。
絶対温度が大きいほど熱運動も激しくなります。
A. (エ)絶対温度
- (オ)
-
高温である=熱運動が激しい=速く動く粒子の割合が多い
と考えると、速い粒子の個数の割合が多い(b)のほうが高温とわかります。
A. (オ) b
まとめ
今回は、粒子の熱運動と絶対温度の関係について解説してきました。
絶対温度は、意味の理解とともにその計算方法も今後よく使うのでぜひ下記記事でマスターしてください。
本記事の重要事項を以下にまとめました。ぜひ復習に役立ててください!
- 熱運動:粒子が常に運動している様子。
- 拡散:熱運動によって粒子が自然に散らばって広がる現象。
- 絶対温度:粒子の熱運動が停止する絶対零度(-273℃)を基準とした温度。
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