物質の三態と熱運動の関係を図解でわかりやすく解説!【実践問題付】

物質の三態は熱運動で説明できる…?

悩む人

物質の三態と熱運動の関係がわからない…

このような悩みで手が止まっていませんか?

物質の三態は、それぞれの状態における粒子の動き(熱運動)に着目することで、その原理がわかります。

そこで、今回は

物質の三態と熱運動の関係を、実践問題を通してわかりやすく解説していきます!

本記事は以下のような人におすすめです!

  • 物質の三態のイメージがつかない。
  • 熱運動を使って状態変化を説明できない。
かんた

この記事を読んで、物質の三態を熱運動を使ってイメージできるようになろう!

目次

問題

図は、物質の三態と三態間の変化を示したものである。次の各問いに答えよ。
(1) ①~⑤の状態変化の名称をそれぞれ記せ。

(2) ⑤、⑥の状態変化をしやすい物質の物質名を1つ記せ。

(3) 同じ質量、同じ圧力下にある固体・液体・気体のうち、密度が最も小さい状態はどれか。

2020セミナー化学基礎 | 第一学習社
略解

(1) ①融解、②蒸発、③凝縮、④凝固、⑤昇華

(2) ヨウ素、ドライアイス、ナフタレン、パラジクロロベンゼンなど

(3) 気体

テキスト:熱運動と状態変化

それでは、この問題に必要な知識・ポイントを確認していきましょう。

まず最初に、物質の三態とはなにか、について説明します。

物質の三態

物質は、温度によって気体、液体、固体状態変化をします。

例えば、水を例に考えると

温度が低い時は固体である氷として存在しますが、温度を上げるに連れて、液体の水、気体の水蒸気、と変化していきます。

この、気体、液体、固体の3つの状態のことを物質の三態といいます。

三態:気体、液体、固体の3つの状態のこと。

では次に、この三態を熱運動に着目して詳しく見ていきましょう。

物質の三態と熱運動

気体、液体、固体の3つの状態の様子は、粒子の熱運動でイメージすることが大切です。

下の図を参照しながら、そのイメージを掴みましょう。

まず、大前提として-273℃以上ではどの状態でも物質中の粒子は動いています。

これを前提に、それぞれの状態における粒子の動きを見ていきましょう。

固体の結晶中の粒子は、それぞれ定まった位置で熱運動しています。

つまり、図のようにその場でぷるぷるとわずかに揺れている状態です。

結晶の温度が高くなると、粒子は熱エネルギーを得ます。すると、その熱エネルギーが運動エネルギーに変化して、粒子の動きをより活発にします。

すると、粒子はその場にとどまることができず、空間を自由に動き回ります。

この粒子の状態が液体です。

更に温度を上げると、より多い熱エネルギーにより、より激しく運動するようになります。

液体の時よりも更に激しい粒子の動きの状態が気体です。

かんた

固体→液体→気体にかけて、より粒子が激しく動くようになるんだね!

三態ごとの粒子の様子がわかったところで、それぞれの状態変化における名称を確認しましょう。

状態変化の名称

状態変化にはそれぞれ名称が付けられています。

有名なのは、液体から気体への変化が蒸発と言われ、日常でも使われているでしょう。

ここでは、それぞれの変化の名称を確認していきます。

それぞれの状態変化と名称は図のようになります。

固体から液体になる変化を融解といい、その温度を融点といいます。

逆に液体から固体になる変化は凝固といい、その温度を凝固点といいます。

液体から気体になる変化を蒸発といい、気体から液体になる変化を凝縮といいます。

また、液体内部からも蒸発が起こる現象を沸騰といい、その温度を沸点といいます。

最後に、固体から気体、気体から固体の変化はどちらも昇華といいます。

かんた

図と照らし合わせながら名称を覚えよう!

また、昇華について詳しく知りたい人は下記記事をチェックしてみてください。

これらを踏まえて、問題の解説を確認していきましょう。

解説

図は、物質の三態と三態間の変化を示したものである。次の各問いに答えよ。
(1) ①~⑤の状態変化の名称をそれぞれ記せ。

(2) ⑤、⑥の状態変化をしやすい物質の物質名を1つ記せ。

(3) 同じ質量、同じ圧力下にある固体・液体・気体のうち、密度が最も小さい状態はどれか。

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(1) ①~⑤の状態変化の名称をそれぞれ記せ。

テキストからそれぞれの変化の名称がわかります。
①固体→液体 融解
②液体→気体 蒸発
③気体→液体 凝縮
④液体→固体 凝固
⑤固体→気体 昇華
となります。

A. ①融解、②蒸発、③凝縮、④凝固、⑤昇華

(2) ⑤、⑥の状態変化をしやすい物質の物質名を1つ記せ。

これに関しては覚える他ありませんが、「混合物の分離法」の昇華法に登場するヨウ素が思いつきやすいでしょう。

A. ヨウ素、ドライアイス、ナフタレン、パラジクロロベンゼンなど

(3) 同じ質量、同じ圧力下にある固体・液体・気体のうち、密度が最も小さい状態はどれか。

同じ質量、同じ圧力下では、一般に、体積は固体<液体≪気体となります。

よって密度は、固体>液体≫気体となります。

「粒子の運動と状態変化」の粒子の状態を確認すると、気体が最も密度が小さいことが視覚的にわかります。

A. 気体

かんた

水は例外的に、固体の体積の方が液体の体積よりも大きいため、氷は水に浮くね!

まとめ

今回は、物質の三態と熱運動の関係について解説しました。

熱運動は、理論化学などでも必須になる考え方なので今のうちから慣れておくことをおすすめします。

本記事の重要事項を以下にまとめました。ぜひ復習に役立ててください!

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