2ステップで純物質・単体・化合物・混合物の違いをわかりやすく解説!【実践問題付】

純物質・単体・化合物・混合物の違いとは?

悩む人

化合物と混合物って何が違うの…?

このような悩みで手が止まっていませんか?

物質の分類には、純物質・単体・化合物・混合物の4つの単語が登場します。

しかし、名前が似ている化合物と混合物などはその違いが曖昧になってしまうっている人が多くいます。

そこで、今回は

純物質・単体・化合物・混合物の違いを実践問題を通してわかりやすく解説していきます!

同時に、同素体についても解説していきます。

本記事は以下のような人におすすめです!

  • 物質の分類問題が解けない。
  • 化合物と混合物がごちゃごちゃになってしまう。
かんた

この記事を読んで、物質の分類を完璧にしよう!

目次

問題:物質の分類と性質

次の(a)~(h)について、下の各問いに答えよ。

(a)酸素  (b)水  (c)オゾン  (d)ヨウ素  (e)塩酸  (f)塩化ナトリウム  (g)石灰水  (h)鉄

(1)混合物をすべて選び、記号で答えよ。

(2)化合物をすべて選び、記号で答えよ。

(3)同素体の関係にある物質を選び、記号で答えよ。

(4)純物質のうち、昇華しやすいものを選び、記号で答えよ。

2020セミナー化学基礎 | 第一学習社
略解

(1)(e), (g)

(2) (b), (f)

(3)(a), (c)

(4)(d)

テキスト:物質の種類と性質

物質の種類と性質

まず、物質の分類から説明していきます。

物質は、上記の図のように分類できます。

まず重要なことは、物質は純物質と混合物の2種類に分けられるということです。

  • 純物質:他の物質が混じっていない1種類の物質からなるもの。
  • 混合物:2種類以上の物質が混じり合ってなるもの。

そして、純物質が単体と化合物の2種類に分けられます。

  • 単体:1種類の元素からできている純物質。
  • 化合物:2種類以上の元素からできている純物質。

定義だけではいまいちしっくりこないと思います。

なので、実際に具体例を確認してみましょう。

今回は例として、塩酸、酸素、水の3つの物質について考えます。

分類は抜けがないように、上の図のように2段階に分けてやると確実です。

STEP
与えられた物質を純物質と混合物の2つに分ける。

塩酸は、塩化水素\(\mathrm{HCl}\)と水の2つの物質が混じり合っているので混合物です。

一方、酸素\(\mathrm{O_2}\)や水\(\mathrm{H_2O}\)は1種類の物質からなるので純物質です。

STEP
純物質をされに単体と化合物に分ける。

酸素\(\mathrm{O_2}\)は1種類の元素\(\mathrm{O}\)からなるため単体です。

一方、水\(\mathrm{H_2O}\)は2種類の元素\(\mathrm{O, \, H}\)からなるため化合物です。

この流れをたどると最終的に以下の表のようになります。

物質分類
塩酸混合物
酸素単体
化合物
表1 3つの物質の分類
かんた

2ステップで考えると混乱することはないね!

次に、同素体について説明します。

同素体

まず、同素体の定義について確認します。

同素体:同じ元素の単体で、構造や性質の異なるもの。

同素体は同じ元素からなるもの同士を指すので、化学式等での区別が難しいです。

しかし、一般的な同素体は4種類だけなので、表1の4種類を覚えてしまいましょう。

構成元素同素体の例
炭素\(\mathrm{C}\)ダイヤモンド\(\mathrm{C}\), 黒鉛\(\mathrm{C}\), フラーレン\(\mathrm{C_{60}}\), カーボンナノチューブ
酸素\(\mathrm{O}\)酸素\(\mathrm{O_2}\), オゾン\(\mathrm{O_3}\)
リン\(\mathrm{P}\)黄リン\(\mathrm{P_4}\), 赤リン\(\mathrm{P}\)
硫黄\(\mathrm{S}\)斜方硫黄\(\mathrm{S_8}\), 単斜硫黄\(\mathrm{S_8}\), ゴム状硫黄\(\mathrm{S}\)
表1 同素体の構成元素とその例

この4種類の覚え方は、

硫黄の\(\mathrm{S}\)、炭素の\(\mathrm{C}\)、酸素の\(\mathrm{O}\)、リンの\(\mathrm{P}\)

をとって、同素体SCOPと覚えると簡単です。

解説

次の(a)~(h)について、下の各問いに答えよ。

(a)酸素  (b)水  (c)オゾン  (d)ヨウ素  (e)塩酸  (f)塩化ナトリウム  (g)石灰水  (h)鉄

(1)混合物をすべて選び、記号で答えよ。

(2)化合物をすべて選び、記号で答えよ。

(3)同素体の関係にある物質を選び、記号で答えよ。

(4)純物質のうち、昇華しやすいものを選び、記号で答えよ。

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まず、(a)~(h)の物質をそれぞれ化学式になおすと…

(a) \( \mathrm{O_2} \)  (b) \( \mathrm{H_2O} \)  (c) \( \mathrm{O_3}\)  (d) \( \mathrm{I_2} \)  (e) \( \mathrm{HCl} \)  (f) \( \mathrm{NaCl} \)  (g) \( \mathrm{Ca(OH)_2} \)  (h) \( \mathrm{Fe} \)
※(e) \( \mathrm{HCl} \)は塩化水素\( \mathrm{HCl} \)の飽和水溶液。
※ (g) \( \mathrm{Ca(OH)_2} \) は水酸化カルシウム\( \mathrm{Ca(OH)_2} \)の飽和水溶液。

この問題も2ステップで考えていきましょう。

STEP
与えられた物質を純物質と混合物の2つに分ける。

まず、8つの物質を純物質と混合物に分類します。

1種類の物質からなる純物質は以下の6つです。

(a)酸素、(b)水、(c)オゾン、(d)ヨウ素、(f)塩化ナトリウム、 (h)鉄

一方、2種類以上の物質からなる混合物は以下の2つです。

(e)塩酸、(g)石灰水

(e) \( \mathrm{HCl} \)は塩化水素\( \mathrm{HCl} \)と水\( \mathrm{H_2O} \)の2種類の物質が混ざっているため混合物です。

(塩化水素\( \mathrm{HCl} \)と水\( \mathrm{H_2O} \)はどちらも化合物)

(g) \( \mathrm{Ca(OH)_2} \)は水酸化カルシウム\( \mathrm{Ca(OH)_2} \)と水\( \mathrm{H_2O} \)の2種類の物質が混ざっているため混合物です。

(水酸化カルシウム\( \mathrm{Ca(OH)_2} \)と水\( \mathrm{H_2O} \)はどちらも化合物)

STEP
純物質をされに単体と化合物に分ける。

次に、6つの純物質を単体と化合物に分類します。

1種類の元素からできている単体は以下の4つである。

(a)酸素、(c)オゾン、(d)ヨウ素、(h)鉄

(a) \( \mathrm{O_2} \)は\(\mathrm{O}\)の1種類の元素からなるため単体です。

(c) \(\mathrm{O_3}\)は\(\mathrm{O}\)の1種類の元素からなるため単体です。

(d) \(\mathrm{I_2}\)は\(\mathrm{I}\)の1種類の元素からなるため単体です。

(h) \(\mathrm{Fe}\)は\(\mathrm{Fe}\)の1種類の元素からなるため単体です。

2種類以上の元素からできている化合物は以下の2つです。

(b)水、(f)塩化ナトリウム

(b) \( \mathrm{H_2O} \)は\(\mathrm{H}\)と\(\mathrm{O}\)の2種類の元素からなるため化合物です。

(f) \(\mathrm{NaCl}\)はナトリウム\(\mathrm{Na}\)と塩素\(\mathrm{Cl}\)の2種類の元素からなるため化合物です。

これで、抜けなく物質を分類することができました。

では、それぞれの問いの回答を確認していきましょう。

(1)混合物をすべて選び、記号で答えよ。

上のステップ1から、混合物は(e)塩酸、(g)石灰水、です。

A. (e)、(g)

(2)化合物をすべて選び、記号で答えよ。

上のステップ2から、化合物は(b)水、(f)塩化ナトリウム、です。

A. (b)、(f)

(3)同素体の関係にある物質を選び、記号で答えよ。

(a)酸素と(c)オゾンは同素体の関係にあります。

A. (a)、(c)

(4)純物質のうち、昇華しやすいものを選び、記号で答えよ。

この中で昇華性を示すものは(d)ヨウ素です。

A. (d)

かんた

ヨウ素は昇華性を示す物質の代表例だよ。詳しくは下記記事をチェックしてね!

まとめ

今回は、物質の分類についての問題解説をしました。

物質の分類は化学基礎の基礎中の基礎なので、ぜひ完璧にしてください!

本記事の重要事項を以下にまとめました。ぜひ復習に役立ててください!

構成元素同素体の例
炭素\(\mathrm{C}\)ダイヤモンド\(\mathrm{C}\), 黒鉛\(\mathrm{C}\), フラーレン\(\mathrm{C_{60}}\), カーボンナノチューブ
酸素\(\mathrm{O}\)酸素\(\mathrm{O_2}\), オゾン\(\mathrm{O_3}\)
リン\(\mathrm{P}\)黄リン\(\mathrm{P_4}\), 赤リン\(\mathrm{P}\)
硫黄\(\mathrm{S}\)斜方硫黄\(\mathrm{S_8}\), 単斜硫黄\(\mathrm{S_8}\), ゴム状硫黄\(\mathrm{S}\)
表1 同素体の構成元素とその例

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